どうして見てるのか。
いつから見ているのか。
そう、聞かれたら、きっと、わからない。
ただ。
気になったんだ。
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またか。
また見てるのか、あいつは。
いつもの視線を感じ、俺は息を吐き出した。
「あの…カカ」
「悪いケド今日は自分の持ち場に戻ってくれる?」
ごめーんね?
くの一を押し倒した形で、そう告げれば、相手の頬がヒクりと上がった。しかしそれ以上は何も無く、自分で身を正した後に「失礼しました」頭を下げて出ていく。その背中はカッコイイ。流石は『その道のプロ』だ。
そして今夜、その『プロ』を帰
してまで俺が気になったモノ。
「テンゾウ」
「はい」
呼べば、速攻で目の前に降り立った姿に苦笑が漏れた。
どうやら戸惑いや罪悪感なんてモノは一切無いらしい。
さて、どうしようか。
「お前さぁ…俺、見られて喜ぶ趣味は無いんだケド?」
「え、そうなんですか?」
言外に俺を見る原因を聞こうとしたが、
相手から返って来た返答は予想外のモノで驚いた。
「…何。俺そんな変態に見られてんの?」
心外だ。
すると目の前の猫面―――テンゾウは、少し困った感じで「あ、いえ…そうではなくて…」と呟いた。自分でも何て言ったらいいのか解らないのだろう。小さな動きではあるが体の前で手のひらがブンブンと振られている。
何だ。こいつこんな気配も出せるのか。
何か可愛いな。
いつも仕事真面目で、何を考えてるのか読めないヤツだったからちょっとイイ気分になる。イイ気分になっていたから、油断、した。
「先輩が、見られてる事を気にしてるとは、思わなくって」
「―――っ」
何もかも。
どうでも良かったんでしょう?
「…よく、見てるね」
「長いですから」
動揺する心をひた隠し問い掛ければ、返ってくるのは何でもない、といった風な答えだった。さっきの可愛さは欠片も無く。
…面白くない。
「ねぇ、テンゾー」
「はい?」
「もっと、俺のこと知りたくない?」
ワザと体を近づけて耳に台詞を流し込むとテンゾウは驚愕の表情を見せた。
イイネ、その顔。
「少なくとも俺は今、お前をもっと知りたいと思ったよ」
そう、初めは何も感じなかった。
生まれてこの方、生まれも育ちも経歴もなかなかだったので、見られる事に抵抗は無かったのだ。『またか』等と思う事すら、無かった。
それが、いつ頃だろうか。コイツの視線に気付いたのは。
同情、羨望、嫉妬―――
今まで寄せられてた多くの感情の視線とは違う、目。
俺は、ただ、『観察』をされて、いた。
任務でもないのに向けられる、その『無』の視線。
気付いてしまったら―――駄目だった。
知りたくなったのだ。
「・・・・・っあ」
「そうそう、その調子」
そのまま可愛く鳴いてね?
「ひっ・・・ふ、あ、・・・っあ」
テンゾウが呆けてるのをイイ事にそのまま押し倒し、流れにノった。
途中、我に返ったテンゾウが少し暴れ出したが、そこは自慢のテクで静かにさせる。今やテンゾウは息も切れ切れ状態だった。
しかし。
「やっ、ふぅうっ…カ、カカッ、せんぱっ…!」
必死に俺にしがみつき、離さまいと、首に絡めてくる腕は振るえている。
なんていうか。
可愛い、ぞ…?
「…ねぇ、テンゾウ?」
「はっ・・・・・・・・は、い・・・」
「テンゾウ、もしかして、こういう経験、無い?」
きょと、っとした表情が一瞬で赤に染まり、それからコクン、と頷かれた。
うわぁ、嬉しいとか思ってる俺。
途端に緊張し出した体にムチを打って、行為に勤しんだ。